エイプリルフールと道化師との意外な関係とは!?
4月1日と言えば、「エイプリルフール」(四月馬鹿)です。欧米諸国では大企業や政府機関までもがエイプリルフールに積極的に参加して、多くの国民が信じ込んでしまうような、あっと驚く情報が出回ることもあります。
エイプリルフールは日本でも定着しており、年々、趣向を凝らしたユーモラスなウソが出まわるようになってきました。あなたもエイプリルフールに面白いネタを考えようと、思考を巡らせた経験があるのではないでしょうか?
さて、今回の記事では、エイプリルフールの「フール」に焦点を当てて、道化師との意外な関係をご紹介します!
■フールは馬鹿?それとも道化?
日本では、フール(fool)を「馬鹿」と訳すのが一般的ですが、フールには「道化」という意味もあります。道化とは道化師のことで、「おどける」という日本語は、「お道化る」から来ていると言われています。では、道化師とはどんな存在なのでしょうか?
■道化師とはどんな存在なの!?
日本では、道化師=ピエロというイメージですが、ピエロだけが道化師ではありません。西洋社会においては、様々な道化師が存在しました。
◎トランプのジョーカー
トランプのジョーカーに描かれているのも道化師です。ジョーカー(joker)とは文字通り、ジョーク(joke)を言う人という意味です。そのジョーカーに道化師の絵柄が使われていることから、道化師の性質の一つに、ユーモラスなジョークを言うことが挙げられます。
◎宮廷道化師(コート・ジェスター)
中世ヨーロッパでは、貴族などの支配階級の人々は、宮廷道化師を雇っていました。宮廷道化師たちは、人間扱いされずペットのように扱われていましたが、だからこそ、主君に失礼な言動や辛辣な物言いをすることが許されていました。
宮廷道化師は、ある意味で治外法権を得ていたわけですが、そんな立場を利用して、主君の側近たちが口が裂けても言えないような内容でも、ときには辛辣な表現で進言しました。最も卑しい身分の宮廷道化師が、最高権力者に意見し、ときには政治に絶大な影響を及ぼすこともあったほどです。
■道化師を演じるには知性が必要
シェイクスピアの戯曲には、宮廷道化師が登場するものが幾つもあります。その中野一つに、こんなセリフがあります。
“This fellow is wise enough to play the fool.”
(こいつは道化を演じれるほど賢い。)
このセリフは、道化師が中世ヨーロッパでどんな存在として認識されていたかを如実に物語っています。道化師には知性や賢さが不可欠だったのです。
■現代日本における道化師
現在の日本においては、ビートたけしや爆笑問題の太田光、既に芸能界を引退した島田紳助などが道化師としての性質を持っているように思います。彼ら3名に共通して言えることは、頭の回転が早く、高い知性を備えており、攻撃的な毒舌を上手く使いこなしていることです。中世ヨーロッパの宮廷道化師に通じる部分があるような気がしませんか。
■エイプリルフールは道化師を演じてみては!?
次のエイプリルフールに、あなたはどんな道化師を演じますか?ユーモラスなジョークでも、ちょっと攻撃的な風刺でも、最後は皆が笑いに包まれるようなネタが思いつくと良いですね!