道化師の名作絵本・いやといったピエロの感想
いやといったピエロ
作: ミーシャ・ダムジャン
絵: ヨゼフ・ウィルコン
訳: いずみ ちほこ
出版社: らんか社
この作品は、
命令されて動くのではなく、こころを大切にし、
自由なサーカスを夢みてとびだしたピエロと仲間の動物たちの物語です。
ある日、舞台で団長の言うことにピエロが「いやです」と言うピエロと、
いっしょにいやだと主張する動物たちの場面がとても印象的です。
ひとりひとりが得意なことを生かす場を求めて
旅に出たピエロと動物たちが
ぬくもりに溢れた暖かい絵で描かれており
とても愛らしいところも魅力です。
読者が穏やかに見守る気持ちで読み進めることができます。
サーカス飛び出す時の緊張感や
次の一歩に対する不安、
そして、自分達の好きにできるサーカスを作ったときの嬉し涙など、
大人が共感できるシーンが織り込まれています。
子どもの時にこの本を読んだなら
人生の節々で新しいチャレンジをする時、
思い出される一冊となるでしょう。
大人にも、子どもにも、
自由であることの喜びと
新たな挑戦への勇気を与えてくれるお話でした。